この記事では、ミトコンドリアと卵子の関係をはじめ、妊活中に注目されている成分やサプリ選びのポイント、あわせて意識したい生活習慣についてわかりやすく解説します。
情報に振り回されず、自分に合った選択をするための参考にしてみてくださいね。
ミトコンドリアと卵子の質の関係
ミトコンドリアは、私たちの体の細胞の中でエネルギーを作り出す重要な役割を担っており、体のあらゆる活動を支えています。
妊活との関係で注目されているのは、ミトコンドリアが卵子の活動に必要なエネルギーの産生を担っている点です。
一般的に「卵子の質」とは、受精・着床・その後成長していくための力のことを指します。
ここでは、ミトコンドリアの基本的な役割や卵子との関係、そして加齢や活性酸素による影響について見ていきましょう。
ミトコンドリアは「細胞のエネルギー工場」
ミトコンドリアは、私たちが食事から摂った栄養素と酸素を使って、細胞活動に必要なエネルギー(ATP)を生み出す役割を担っています。
心臓や脳、筋肉、卵子など、エネルギーを多く使う組織ほどミトコンドリアが多く存在することがわかっています。
そのため、ミトコンドリアの数や働きが低下すると、細胞全体のエネルギー産生にも影響が及びやすくなります。
なかでも卵子は、多くのエネルギーを必要とする細胞のひとつです。そのため、ミトコンドリアの働きは卵子の状態を考えるうえで重要な要素とされています。
毎日の食事や運動、睡眠が、このエネルギー工場の稼働率を支えているのです。
卵子は「ミトコンドリアの宝庫」
実は、卵子は人体のなかでも特に多くのミトコンドリアを含む細胞といわれています。
卵子には約10万個のミトコンドリアが存在するとされており、受精から細胞分裂、着床、そして妊娠の継続に至るまでに必要なエネルギーを支えています。
卵子の成熟や細胞分裂、受精後の急速な細胞増殖には、大量のエネルギーが欠かせません。
そのエネルギー供給を担うのがミトコンドリアであり、十分な数と働きが保たれていることが、卵子の状態を支える要素のひとつと考えられています。
ミトコンドリアの機能が低下すると、卵子の発育や受精後の成長に影響する可能性があるともいわれています。
そのため近年は、卵子の質を考えるうえで、ミトコンドリアの働きにも注目が集まっているのです。
加齢と活性酸素がミトコンドリアを傷つける
ミトコンドリアの数や機能は、加齢に加え、生活習慣の乱れやストレス、栄養バランスの偏りなどの影響を受けると考えられています。
とくに年齢を重ねるにつれてミトコンドリアの働きは徐々に低下し、それが卵子の変化に関わる要因のひとつではないかと研究されています。
また、ミトコンドリアはエネルギーを作る過程で「活性酸素」を発生させます。
活性酸素自体は体内で必要な役割も担っていますが、加齢やストレス、生活習慣の乱れなどによって増えすぎると、ミトコンドリア自体や卵子のDNAに負担をかける可能性があるとされています。
そのため、卵子やミトコンドリアの働きを支えるには、日々の生活習慣を整えることが大切です。
抗酸化作用を持つ栄養素としては、ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどが知られています。近年は、PQQやコエンザイムQ10といった成分についても研究が進められています。
妊活で注目される3成分(PQQ・L-カルニチン・コエンザイムQ10)
ミトコンドリアに着目したサプリメントにはさまざまな成分が使われていますが、妊活との関連でよく取り上げられるのが「PQQ」「L-カルニチン」「コエンザイムQ10」です。
これらはそれぞれ異なる働きを持ち、ミトコンドリアの機能やエネルギー産生との関わりについて研究が進められています。
サプリを選ぶ際は、成分ごとの特徴を理解したうえで、自分に合ったものを選びたいところです。
ここでは、妊活中に注目されている3つの成分について、それぞれの特徴を見ていきましょう。
PQQ(ピロロキノリンキノン):抗酸化とミトコンドリア新生
PQQは、強い抗酸化作用を持つ成分として知られており、ミトコンドリアの新生(新しく作られること)に関わる可能性があるとして注目されています。
ミトコンドリアは年齢や生活習慣の影響を受けると考えられているため、その働きをサポートする成分として妊活中の方から関心を集めています。
また、PQQは胃酸の影響を受けにくく、体内に吸収された後は卵巣を含むさまざまな組織に届くとされています。卵胞を酸化ストレスから守り、卵子を取り巻く環境の維持に関わる可能性についても研究が進められています。
食事からも摂取できますが、含有量は多くないため、効率よく取り入れたい場合はサプリメントから摂取するのも良いでしょう。
ただし、妊活への効果についてはまだ研究段階の部分もあるため、過度な期待を持つのではなく、生活習慣の見直しとあわせて考えることが大切です。
L-カルニチン:脂肪酸代謝とエネルギー産生
L-カルニチンは、必須アミノ酸であるリジンとメチオニンを材料に、主に肝臓で合成される成分です。
体内では、脂肪酸をミトコンドリアへ運ぶ役割を担っており、エネルギーを効率よく作り出すために欠かせない存在とされています。
ミトコンドリアが十分に働くためにはエネルギー源となる脂肪酸が必要ですが、L-カルニチンはその「運搬役」として機能します。
近年は妊活分野でも注目されており、L-カルニチンの摂取と胚の状態との関連を調べた研究も報告されています。ただし、現時点では研究結果にばらつきもあり、効果が確立されているわけではありません。
肉類や魚類にも含まれる成分ですが、年齢とともに体内量が減少する可能性があるといわれており、食事やサプリメントから補う方法が検討されることもあります。
コエンザイムQ10:ATP産生の補酵素
コエンザイムQ10は、ミトコンドリア内でエネルギー産生に関わる成分で、抗酸化作用を持つことでも知られています。
体内でも作られますが、加齢とともに減少するといわれており、年齢を重ねるにつれて食事やサプリメントから補う意味が大きくなる成分です。
また、女性だけでなく男性の妊活でも注目されている成分のひとつで、精子の運動率との関連について研究が進められています。
→男性のコエンザイムQ10と妊活の関係はこちらもチェック

妊活で注目されるミトコンドリア系成分
| 成分 | 主な働き | 目安摂取量 |
|---|---|---|
| PQQ | ミトコンドリア新生・抗酸化 | 10〜20mg/日 |
| L-カルニチン | 脂肪酸代謝・エネルギー産生 | 500〜1000mg/日 |
| コエンザイムQ10 | ATP産生補助・抗酸化 | 100〜200mg/日 |
3つの成分はどれもミトコンドリアと関わりがありますが、役割はそれぞれ異なります。そのため、サプリメントを選ぶ際は、どの成分が配合されているのかを確認してみるとよいでしょう。
なお、これらの成分に関する研究は進められているものの、妊娠や卵子の状態への影響については、今後さらなる検証が必要とされています。
ミトコンドリアサプリの選び方と生活習慣
「ミトコンドリアサプリに興味はあるけれど、種類が多くて何を選べばよいかわからない」と感じている方もいるのではないでしょうか。
サプリメントは成分や配合量、品質に違いがあるため、特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。
また、サプリメントだけで体の状態が大きく変わるわけではありません。食事や運動、睡眠などの生活習慣を整えることも、妊活中の体づくりを支える重要な要素です。
ここでは、ミトコンドリア系サプリを選ぶ際のポイントと、あわせて意識したい生活習慣についてご紹介します。
成分量と添加物のチェックポイント
サプリメントを選ぶ際は、原材料や成分量がわかりやすく表示されている製品を選ぶと安心です。
ミトコンドリアに関する表現があっても、PQQやL-カルニチン、コエンザイムQ10がどの程度配合されているのか確認できない場合は、比較が難しくなります。
また、妊活中に取り入れるサプリメントだからこそ、添加物や保存料の使用状況にも目を向けておきたいところです。
GMP認定工場で製造されているか、品質管理や検査体制が明記されているかも判断材料のひとつになります。
パッケージや公式サイトに成分量や製造体制が明記されていない製品は、選択肢から外すのが無難です。
サプリメントは継続して摂取することが前提になるため、価格や飲みやすさも意外と重要なポイントです。
また、すでに葉酸などの妊活サプリを利用している場合は、成分の重複がないかも確認しておくとよいでしょう。
クリニック取扱いサプリの選択肢
不妊治療を行うクリニックでは、ミトコンドリアに着目したサプリメントを取り扱っていることがあります。
市販のサプリメントと比べて、医療機関の考え方をもとに成分設計されている製品もあるため、通院中の方は選択肢のひとつとして相談してみてもよいでしょう。
ただし、クリニックで取り扱われているからといって、すべての方に適しているわけではありません。体質や治療方針によって合う・合わないがあるため、自己判断ではなく医師や医療スタッフに確認しながら取り入れることが大切です。
また、クリニック取扱いの製品は、市販品より価格が高めに設定されている場合もあります。成分内容や続けやすさを確認しながら、自分に合ったものを選びましょう。
男性向けの妊活サプリをあわせて活用し、夫婦で体づくりに取り組むケースも増えています。
→男性向け妊活サプリの選び方についてはこちらもチェック

適度な運動と抗酸化食材で底上げ
ミトコンドリアの働きを支えるためには、サプリメントだけでなく日々の生活習慣を整えることも欠かせません。
適度な有酸素運動は、ミトコンドリアの機能と関わりがあるとされており、ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどを週3〜4回、30分程度続けることが目安とされています。
一方で、過度な運動は体への負担が大きくなる場合もあるため、無理のない範囲で続けることを意識しましょう。
食事では、ビタミンC(パプリカ・ブロッコリー・キウイなど)やビタミンE(アーモンド・アボカドなど)、ポリフェノールを含む食品(ベリー類・カカオ・緑茶など)を取り入れることもおすすめです。
また、睡眠不足やストレスも体に負担をかける要因と考えられています。1日7〜8時間を目安に睡眠時間を確保し、自分なりのリラックス方法を見つけておくことも大切です。
サプリメントはあくまでも生活習慣を補う存在です。できることから少しずつ取り入れながら、無理なく続けていきましょう。
まとめ
ミトコンドリアは、卵子が活動するために必要なエネルギーを生み出す重要な存在です。そのため、妊活では卵子との関わりが注目されています。
卵子には多くのミトコンドリアが含まれており、受精や細胞分裂などの過程を支えるために働いています。一方で、加齢や生活習慣の乱れなどによって、その機能に影響が及ぶ可能性もあると考えられています。
PQQ・L-カルニチン・コエンザイムQ10は、ミトコンドリアとの関わりが研究されている成分として知られていますが、サプリメントだけで妊娠や卵子の状態が変わるわけではありません。
大切なのは、サプリメントを上手に活用しながら、食事や運動、睡眠、ストレスケアといった生活習慣もあわせて整えていくことです。
妊活は、すぐに結果を求めるものではなく、日々の積み重ねが土台になります。焦らずご自身のペースで取り組みながら、できることを一つずつ続けていきましょう。
パートナーと一緒に体づくりに取り組むことも、妊活を前向きに続けるきっかけになるはずです。
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