帰省や親族の集まりのたびに、「子どもはまだ?」と聞かれて疲れてしまう。
妊活中の方にとって、親や義両親からのプレッシャーは、身近な相手だからこそかわしにくいものです。
悪気がないと分かっていても、同じ質問が繰り返されれば、少しずつ気持ちも消耗してしまいます。
うまく返答できなかったあとで、「あのとき、どう答えればよかったんだろう」と何度も思い返してしまうこともあるでしょう。
こうした負担は、返し方や夫婦の役割分担をあらかじめ決めておくことで、減らせる部分があります。
この記事では、自分の親や義両親からのプレッシャーがつらく感じる理由、質問を受けたときの返し方、プレッシャーを減らすためにできる備えや方法をわかりやすく解説します。
家族との関係を大切にしながら、自分たちに無理のない形で妊活を続けたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
妊活中に義母・親からのプレッシャーがつらく感じる理由
「子どもはまだなの?」という一言に、胸のあたりが重くなった経験はありませんか。
妊活中の方にとって、このような言葉は、身近な相手だからこそ余計に答えにくいものです。
相手に悪気がないと分かっているからこそ、うまく返せなかったり、気にしてしまったりする自分を責めてしまうこともあります。
まずは、なぜ身近な人からの言葉をこれほどつらく感じるのか、その理由から整理していきましょう。
「まだなの?」に用意できる答えがないから
妊活は、生活を整えたり通院を続けたりすれば、必ず結果が出ると決まっているものではありません。
そのため「まだなの?」と聞かれても、いつ妊娠するのかを自分で答えられるわけではないのが実際のところです。
「そのうちね」と流せば嘘をついたような気持ちになり、「妊活中なんです」と打ち明ければ、次回から進捗を聞かれるようになるかもしれません。
どちらを選んでも気持ちがすっきりしないまま会話が終わるため、負担が積み重なりやすくなります。
うまく返せないのは、あなたの受け答えが下手だからではありません。そもそも答えを用意しにくい質問だからこそ、負担に感じて当然なのです。
悪気がないと分かっていても、負担に感じる
親や義両親からの言葉には、責めるつもりのないものも多く含まれています。
「孫の顔が見たい」「家族が増えたらうれしい」という素朴な気持ちが、そのまま口に出ている場合もあります。
ただ、相手に悪気があるかどうかにかかわらず、繰り返される質問や言い方が負担になることはあります。
そして、善意から言っていると分かる相手ほど、「これ以上聞かないでほしい」と伝えることにためらいを感じやすくなります。
強く言い返せば関係が悪くなるかもしれないし、答えなければ何度も同じ質問をされる。そんな状態に置かれると、少しずつ気持ちが消耗してしまいます。
その気持ちを無理に打ち消そうとせず、自分にとって負担の少ない距離の取り方を考えていくことも大切です。
実の親と義理の親では、対応のしやすさが違う
同じ「まだ?」という言葉でも、実の親と義理の親とでは、どう返せるか、どこまで率直に伝えられるかが違うという方は多いものです。
実の親であれば、「その話はやめて」と率直に伝えられる関係性があることもあります。
一方で義理の親の場合は、パートナーの家族という立場が加わる分、遠慮が働きやすくなります。「どう答えれば角が立たないか」など考えてしまい、言葉を選ぶ負担も大きくなりがちです。
だからこそ、義理の家族への対応はパートナーと一緒に考えておくことが大切です。
一人で返答を考えるのではなく、誰がどのように答えるかを決めておくことも、プレッシャーを軽くする方法の一つです。
プレッシャーを感じたときの上手なかわし方
その場でうまく返せず、あとから何時間も引きずってしまう。これは、受け答えの準備がないまま、不意打ちの質問を受けるために起こりやすいことです。
逆にいえば、返し方をあらかじめ決めておくと、その場で言葉を探す負担を減らせることがあります。
相手の考えを変えようとするのではなく、その場をどう収めるかに絞って準備しておくことがポイントです。
ここでは、実際の場面ですぐ使える方法を3つに分けて見ていきます。
短い返し方をあらかじめ用意しておく
その場で言葉を考えようとすると、何と返せばいいのかわからず、詰まってしまうことがあります。
そのため、あらかじめ「聞かれたらこれを言う」と決めた一言を持っておくと、実際に聞かれたときに負担を減らすことができます。
たとえば「そのうちご報告できたらいいなと思っています」という言い回しなら、詳しいことを話さずに会話を収めやすくなります。
また、「今は二人のペースでやっていますので」という言い方も、詳しい内容を明かさずに、自分たちの考えを伝えられる表現です。
ここで大切なのは、丁寧に説明しようとしすぎないことです。
説明が長くなるほど質問の入り口も増えるため、短い一言で返せるように準備しておくと良いでしょう。
同じ返答を繰り返すことは、相手をないがしろにするそっけない態度とは違います。毎回ゼロから言葉を探さずに済むようにしておく、現実的な工夫だと考えてみてください。
夫婦で「誰がどう答えるか」を決めておく
義理の家族からの質問に、一人で対応し続けるのは大きな負担になります。
そこでおすすめしたいのが、自分の家族には自分が、パートナーの家族にはパートナーが答えるようにする、という決め方です。
この役割分担をあらかじめ共有しておくと、その場で一人で抱え込まずに済み、プレッシャーも軽くなります。
パートナーから「その話はもういいよ」と言ってもらえれば、本人から伝えるよりも角が立ちにくい場合もあります。
もしパートナーがあまり状況を分かっていないようであれば、責める形ではなく、困っている事実として共有してみてください。
「私が答えると角が立ちそうだから、あなたから言ってほしい」という頼み方であれば、お願いしたいことも伝わりやすくなるでしょう。
また、夫婦以外の相手に妊活のことをどこまで話すかは、職場においても同じように悩むことがあります。
→職場への伝え方に迷ったときは、こちらの記事もチェックしてみてください。

相手や場面によって、どこまで伝えるかを変えても構いません。
会う回数や過ごし方を調整する
返答の仕方を工夫していても、長い時間顔を合わせていれば、同じ話題が何度も出てくることもあるでしょう。
そこで検討したいのが、会う回数や過ごし方を調整する方法です。
泊まりではなく日帰りにする、滞在時間をあらかじめ短く決めておく、家ではなく外食の場を選ぶといった工夫が考えられます。
ほかの人の目がある場所では、込み入った話題を出しにくくなるため、妊活について聞かれる機会を減らせる場合もあります。
また、しばらく会う回数を減らすことに、罪悪感を持つ必要もありません。
体調や気持ちに余裕がない時期に無理をすれば、家族と会うこと自体が負担になってしまうこともあります。
会う頻度や過ごし方は、体調や治療の状況、そのときの気持ちに合わせて変えて構いません。
無理のない距離感を保ちながら付き合うことも、家族との関係を良好に保つための一つの方法です。
プレッシャーを減らすための備えと方法
その場での返し方を工夫するだけでは、心の負担が残ってしまうこともあります。
親や義両親から同じ質問が続くことを考え、あらかじめ「どこまで伝えるか」「困ったときは誰に相談するか」を決めておくことも大切です。
ここでは、伝える範囲の決め方、不妊の検査や治療について知っておきたいこと、気持ちがつらくなったときの相談先を紹介します。
一人で抱え込まず、無理なく対応するための方法を知っておきましょう。
どこまで伝えるかは自分たちで決めていい
妊活していることを自分の親や義両親、親族に伝えるかどうかについて、決まった正解はありません。
伝えたことで質問が減る場合もあれば、逆に治療の進み具合を毎回尋ねられるようになる場合もあります。
そのため、伝えることで自分たちにどのような変化がありそうかを考えたうえで、話す範囲を決めていきましょう。
「言わなければいけない」と感じているなら、その義務感がどこから来ているのかを一度考えてみることも大切です。
→周囲に妊活について話すかどうか悩んだときは、こちらの記事もチェックしてみてください。

相手によって伝える内容や範囲を変えても構いません。必要なことだけを伝え、それ以上は話さないという選択もできます。
不妊の検査や治療を受けることは珍しくない
妊活について、「自分たちだけがうまくいっていないのではないか」という感覚は、必要以上に気持ちを追い詰めてしまいます。
こども家庭庁の情報サイトみんなで知ろう、不妊症不育症のことでは、不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は22.7%、およそ4.4組に1組と紹介されています。
これは国立社会保障・人口問題研究所が実施した第16回出生動向基本調査(2021年)にもとづく数値で、不妊の検査や治療を受ける夫婦が決して珍しくないことがわかります。
ただ、親世代の方にとっては、不妊の検査や治療を受ける夫婦がこれほど多いことを知らない方もいるかもしれません。
とはいえ、親や義両親にわざわざ説明しなければならないわけではありません。伝えたいと思ったときに使える情報の一つとして、頭の片隅に置いておくと役に立つこともあるでしょう。
気持ちがつらいときの相談先
家族には相談しづらい内容だからこそ、家庭の外にある窓口が助けになることがあります。
各都道府県などが実施している性と健康の相談センター事業では、不妊症や不育症をはじめ、思春期から妊娠・出産までの悩みについて相談支援が行われています。
地域によっては、治療内容だけでなく、妊活中のつらい気持ちについて相談できる窓口もあります。
対応している相談内容や相談方法、受付時間は窓口ごとに異なるため、お住まいの地域の情報を確認してみてください。
また、眠れない、気分の落ち込みが続くといった場合は、我慢せず医療機関への相談も考えてみましょう。
相談したからといって、すぐに治療や何らかの対応を決めなければならないわけではありません。
専門家に相談することで、抱えている負担を整理したり、必要な支援につながったりする助けになることがあります。
まとめ
自分の親や義両親からのプレッシャーがつらいのは、あなたの心が弱いからではありません。
「まだなの?」と聞かれても答えようがなく、しかも相手に悪気がないために、言い返したり気持ちを伝えたりしづらいこと自体が負担になります。
その場でできる対策としては、短い返し方を用意しておくこと、夫婦で誰が答えるかを決めておくこと、会う頻度や過ごし方を調整することなどがあります。
そのうえで、どこまで伝えるかは自分たちで決めてよく、不妊の検査や治療を受ける夫婦も決して珍しくないことを知っておきましょう。
落ち込みや不眠が続く、食事がとれない、仕事や家事に支障が出るといったときは、期間にかかわらず、性と健康の相談センターや医療機関を頼ることもできます。
家族との関係を大切にするためにも、自分の心をすり減らし続ける必要はありません。
Fertility Journey(ふぇるじゃに)は妊活に取り組む方のためのサイトです。妊活に関するさまざまな情報をお伝えしていますので、ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
