妊活を進めていると、「もっと夫婦で話し合えたらいいのに」と感じることはないでしょうか。
妊娠しやすい時期や検査・治療、お金のこと、将来の家族像など、二人で確認しておきたいテーマはたくさんあります。
一方で、いざ話し合おうとすると、妊活への温度差を感じたり、デリケートな話題だからこそ気まずくなったりすることもあるでしょう。
「話したいことはあるのに、どう切り出せばいいのかわからない」と悩む方も少なくありません。
この記事では、妊活の話し合いをスムーズに進めるコツや、夫婦ミーティングの進め方、話題の切り出し方をわかりやすく紹介します。
パートナーとの話し合いを進めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
なぜ妊活には夫婦の話し合いが欠かせないのか
妊活は、夫婦どちらか一方が頑張るだけでは進むものではありません。
検査に進むかどうか、いつまで自然妊娠を目指すか、費用をどこまでかけるかなど、夫婦で相談して決める場面が多くあります。
また、一度決めたことでも、体調や年齢、仕事などの状況によって考え方が変わることもあります。そのため、妊活では一度きりではなく、その都度話し合いながら方向性を確認していくことが大切です。
ここでは、妊活において夫婦で話し合うことが重要な理由を3つの視点から整理します。
妊活では夫婦で決めることが増えていく
妊活を進めていると、検査や治療に進むかどうか、いつまで自然妊娠を目指すか、費用をどこまでかけるかなど、夫婦で決める場面が増えていきます。
実際のデータを見ると、検査や治療を経験している夫婦は一定数います。
2021年に実施された国立社会保障・人口問題研究所 第16回出生動向基本調査では、不妊の検査・治療を受けたことがあると回答した夫婦は22.7%、およそ4.4組に1組と報告されています。前回調査の18.2%から増加しており、検査や治療を受ける夫婦が増えていることがわかります。
検査や治療を考える時期は人によって異なりますが、早い段階から選択肢を知っておくことは、決して早すぎることではありません。
二人であらかじめ情報を共有しておくと、いざ検討が必要になったときにも、落ち着いて話し合いやすくなります。
情報共有と話し合いを分けることで、すれ違いを防ぎやすい
妊活中の夫婦の会話がこじれやすい理由のひとつに、「情報共有」と「話し合い」が混ざってしまうことがあります。
情報共有とは、排卵の仕組みや検査の内容、費用など、まず知っておきたい情報を二人でそろえることです。
一方、話し合いとは、共有した情報をもとに「これからどうするか」を二人で考え、決めていくことを指します。
前提となる知識に差があるまま結論を出そうとすると、片方が説明役、もう片方が聞き役になりやすくなります。
その状態が続くと、いったん決めたことを後から改めて話し合う必要が出てくる場合もあります。
話すことが気持ちの整理につながることもある
妊活中は、思うように結果が出ない期間が続くと、不安や焦りが積み重なることがあります。そうした気持ちを一人で抱え込むと、生理が来るたびに落ち込みが深くなってしまうこともあるでしょう。
話すこと自体が負担でなければ、定期的に気持ちを言葉にすることで、考えを整理するきっかけにもなります。
パートナーにとっても、「何を考えているのかわからない」という状態が減り、相手の気持ちに寄り添いやすくなるでしょう。
話し合いは、妊活の方針を決めるためだけの場ではありません。お互いの気持ちや状態を確認する時間としても活用できます。
決めることが何もない時があっても問題ありません。「今月はしんどかった」「思ったより落ち着いている」と伝え合うだけでも、お互いの状態を知るきっかけになります。
夫婦ミーティングを始める前の準備
話し合いをスムーズに進めるためには、いきなり本題に入らず、少し準備をしておくと安心です。
準備といっても大がかりなものではありません。話したいテーマを書き出す、時間を決める、相手の話を聞くことを意識するなど、簡単な工夫から始められます。
特に、重いテーマを扱うときは、あらかじめ「どこまで話すか」を決めておくと、話が広がりすぎるのを防ぎやすくなります。
ここでは、夫婦ミーティングを始める前に意識したい3つの準備について、順番に紹介します。
話したいテーマを先に書き出す
頭の中だけで考えていると、話しているうちに論点がズレてしまいがちです。
話したいことをスマホのメモやノートに箇条書きで出しておくと、限られた時間でも話す内容を整理しやすくなります。
書き出す段階で、「これは今日じゃなくてもいい」と判断できる項目が見つかることもあります。まずは気になっていることをすべて書き出し、そのなかから今回話したいテーマを選ぶとよいでしょう。
また、仕事と妊活の両立について話す場合は、公的な資料を一緒に見ておくのもひとつの方法です。
厚生労働省「不妊治療と仕事との両立のために」では、職場に治療の状況を伝える際に活用できる「不妊治療連絡カード」が公開されています。
通院と仕事の調整は一人で抱え込みやすいテーマだからこそ、早めに夫婦で話す議題に入れておくと安心です。
リラックスできる場所と時間を選ぶ
仕事帰りで疲れている時や、就寝直前は避けるのが無難です。眠気や疲労があると、言葉選びが雑になったり、意図しない言い方になってしまうことがあります。
食後にゆっくりお茶を飲む時間や休日など、二人とも余裕がある時間帯を選ぶと、落ち着いて話しやすくなります。「今ならゆっくり話せそう」と思えるタイミングを選ぶことも、夫婦ミーティングを続けるポイントです。
自宅だと家事やスマートフォンなどが気になって集中できない場合は、カフェなど外で話す方法もあります。反対に、周囲の目が気になる二人なら、自宅の落ち着いた場所を選ぶのもよいでしょう。
時間は30分程度を目安に区切っておくと、話が長引きにくく、すべてを一度に決めずに次回へ持ち越す判断もしやすくなります。
責める姿勢ではなく聞く姿勢で始める
話し合いの前提は、相手を説得することではなく、お互いの考えを知ることです。
「なんで分かってくれないの」と感情をぶつけると、相手も身構えてしまい、本音を話しにくくなることがあります。
「私はこう感じているんだけど、あなたはどう思う?」と、自分の気持ちを伝えてから質問する形にすると、相手の考えにも耳を傾けやすくなります。
もし言い合いになってしまったら、無理に結論を出そうとせず、いったん話を切り上げて、落ち着いてから再開する方法もあります。
夫婦で話し合いたい妊活テーマの例
| テーマ | 話す内容 | 見直すタイミングの例 |
|---|---|---|
| なぜ子どもを望むか | それぞれの想いや将来像 | 節目で1回 |
| 妊活の方法と期間 | 自然妊娠を目指す期間、検査に進む時期 | 3〜6か月ごと |
| お金のこと | 予算の上限や貯蓄の配分 | 節目で1回 |
| 仕事との両立 | 通院や検査の調整、職場への伝え方 | 月1回 |
| 親や周囲への共有 | 誰にどこまで伝えるか | 状況に応じて |
簡単なメモを作るだけでも、話したい内容を整理する準備になります。毎回きっちり準備する必要はなく、妊活の方針やお金など、大きなテーマを扱うときだけ取り入れる方法でも十分です。
話題の切り出し方と、乗り気でない相手への伝え方
妊活のようなデリケートな話題ほど、最初のひとことが会話の雰囲気を左右することがあります。同じ内容でも、切り出し方を少し変えるだけで、相手も話を受け止めやすくなるでしょう。
また、パートナーが妊活の話にあまり乗り気ではないケースもあります。
話し合いが進まないときは、内容だけでなく、話すタイミングや切り出し方に原因がないか振り返ってみることも大切です。
ここでは、話し始めの言葉選びと、夫婦の温度差があるときの進め方について紹介します。
「相談したいことがあるんだけど」と前置きする
いきなり本題に入ると、相手は何を言われるのかわからないまま身構えてしまうものです。
「ちょっと相談したいことがあるんだけど、今いい?」と前置きを入れるだけでも、相手は心の準備をしてから話を聞きやすくなります。
前置きには、これから話す内容の重さを予告する役割があります。「10分だけ」「今日は決めなくてもいいから」と時間や目的を添えると、さらに構えが解けやすくなるでしょう。
相手が疲れているようなら、その場で無理に話し始めず、日時だけ約束しておく方法もあります。「金曜の夜に30分だけ時間をもらえないかな」と具体的に伝えると、相手も予定を調整しやすくなります。
また、話したい内容が複数ある場合は、「今日は検査について相談したい」など、テーマをあらかじめ伝えておくと、話し合いの焦点も定まりやすくなります。
「アイ・メッセージ」で気持ちを伝える
「あなたはいつもこうだよね」と相手を主語にすると、指摘や批判のように受け取られやすくなります。
「私はこう感じている」「これが不安なんだ」と、自分を主語にして気持ちを伝える言い方が「アイ・メッセージ」です。自分の気持ちを伝える形にすることで、相手を責める印象を抑えやすくなります。
言いにくい内容ほど、相手の行動を責めるのではなく、自分の気持ちや希望として伝えることを意識してみましょう。
「検査に行ってほしい」ではなく、「検査について一緒に考えてもらえるとうれしい」と伝えるなど、言い方を少し変えるだけでも印象は変わります。
また、日常の会話が少ないと感じている場合は、妊活の話し合いをする前に、雑談など気軽な会話の機会を増やしてみるのもひとつの方法です。
→夫婦のコミュニケーションを増やす方法については、こちらの記事もチェックしてみてください。

無理のない範囲で日常の会話を重ねることで、改まった話題も切り出しやすい関係づくりにつながります。
乗り気でないときは情報共有から始める
パートナーが妊活の話し合いにあまり乗り気ではないときは、無理に結論を出そうとせず、まずは情報を共有するところから始めてみましょう。
背景には、知識の差だけでなく、不安や疲れ、話すタイミング、妊活への考え方の違いなどがあるかもしれません。
ニュース記事や妊活コラムを共有するなど、話し合う前に情報を渡す方法もあります。相手が興味を持ちそうな内容を選び、まずは読んでもらうだけでも十分です。
相手が自分のペースで考えられる時間を持つことで、その後、相手から話題を出してくれることもあります。
それでも反応が薄い場合は、声のかけ方やタイミングを変えてみるのも一つの方法です。
→パートナーとの温度差を感じるときの声かけと工夫については、こちらの記事もチェックしてみてください。

妊活への考え方や、話したいタイミングに差が生じることは珍しくありません。一度にすべてを解決しようとせず、少しずつ話せる機会を作っていきましょう。
まとめ
妊活の話し合いは、一度で結論を出すのではなく、夫婦で考えを確認しながら、その都度方向性を決めていく時間です。
検査や治療を受けたことがあると回答した夫婦は4.4組に1組と報告されており、必要に応じて検査や治療を検討する夫婦は決して珍しくありません。
まずは、知識をそろえる「情報共有」と、これからの方針を決める「話し合い」を分けて考えることがポイントです。
話し合いの準備では、テーマを書き出す・余裕のある時間を選ぶ・相手の話を聞くという3つを意識すると、落ち着いて進めやすくなります。
話題を切り出すときは前置きを入れ、自分を主語にした「アイ・メッセージ」を使うことで、自分の気持ちや希望も伝えやすくなります。
パートナーが乗り気ではないときは、記事やコラムを共有するなど、間接的な情報提供から始める方法もあります。
無理に一度で解決しようとせず、二人に合ったペースで話す機会を作りながら、お互いの考えを少しずつ共有していきましょう。
Fertility Journey(ふぇるじゃに)は妊活に取り組む方のためのサイトです。妊活に関するさまざまな情報をお伝えしていますので、ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
