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体外受精の流れ&費用は?痛みの目安や通院回数も含めて解説

不妊治療・検査

体外受精を考え始めたときには、「何回くらい通うの?」「採卵は痛い?」「保険が使えても、いくらかかるの?」など、いろんなことが気になるでしょう。とはいえ、治療の説明を聞きながら、仕事や家計のことまで一度に考えるのは大変です。

体外受精は、体の外で卵子と精子を受精させ、育った胚を子宮へ戻す治療です。診察・検査、採卵・採精、受精・培養、胚移植、妊娠判定の順に進みますが、採卵から移植までが同じ月に一気に終わるというわけではありません。

治療では、月経の始まりから次の月経までを一つの「周期」として考えます。予定や費用も「採卵する周期」と「移植する周期」に分けると整理しやすいですね。ここでは治療の流れをたどりながら、通院回数と料金の具体例、痛みへの備えを紹介します。受診前に気になるところから確かめてみてくださいね。

体外受精の流れ

診察で「採卵」「培養」「移植」という言葉を続けて聞いても、どの日に何をするのか分かりにくいですよね。卵子を採るまでの準備と、育った胚を戻すための準備を分けて考えると、全体の流れをつかみやすくなります。また、男性側の検査や採精も治療の一部です。

ここでは、それぞれの段階で行うことと、次の予定が決まるタイミングを見ていきましょう。二人のカレンダーに通院日を書き込むときにも役立つ内容です。

診察から採卵・採精まで

最初は、二人の検査結果やこれまでの治療をもとに、治療計画を立てるところから始まります。女性は超音波やホルモン検査、男性は精液検査などを受けるのが基本です。すでに別の施設で検査を受けた方は、結果を持参すると、追加で必要な検査を相談しやすいでしょう。

続いて、採卵に向けて、卵子の入った袋である「卵胞」を育てる段階です。飲み薬や注射を使って育てる方法などがあり、年齢や卵巣の反応などの条件から、医師が方針を決めてくれます。自宅で注射をする場合は、実際の器具を使って手順を教わるので、併せて使用時刻や保管方法も確かめておきましょう。

卵胞の育ち具合は、超音波や採血で確認します。採卵日が決まるのは、卵胞の成長を見てからです。採卵では、超音波の画像を見ながら腟から細い針を進め、卵胞の中の液と一緒に卵子を取り出します。

受精に使う精液は、採卵に合わせて用意するのが一般的ですが、施設や治療計画によって準備は異なります。

採精の場所・提出時刻・禁欲期間を、採卵前に二人で確認しておきましょう。

出張などで当日の採精が難しい場合は、事前の精子凍結を利用できるか、早めに相談できます。自宅採精が可能な場合も、容器や運び方は施設の案内に従ってください。

受精卵を育て、胚移植へ

採卵後は、卵子と精子を合わせて受精を待つ通常の体外受精、または一つの精子を卵子に直接入れる顕微授精へ進みます。どちらを使うかは、精子の状態や過去の受精結果などを踏まえての判断です。徳島大学のHPで紹介されている、それぞれの方法の解説が参考になりますよ。

受精卵が分割して育つと「胚」と呼ばれ、さらに発育すると「胚盤胞」という段階に進みます。培養器の中で育ち具合を確かめながら、移植や凍結を検討していきます。米国生殖医学会(英語)でも説明されているように、採れた卵子がすべて受精し、移植できる胚まで育つとは限りません。結果の説明の際には、採卵数だけでなく、受精した数や育った胚の状態も聞いてみるとよいでしょう。

移植には、採卵した周期に戻す「新鮮胚移植」と、凍結した胚を別の周期に戻す「凍結融解胚移植」があります。

採卵後の体調や子宮内膜の状態によっては、その周期の移植を見送り、育った胚を凍結することもあります。

「今回は凍結しましょう」と説明されたら、何のために待つのか、移植に向けた診察はいつからかを聞いてみてください。採卵後の休みと移植の通院を分けて考えられますよ。

胚移植は、細い管で胚を子宮の中へ戻す処置です。必要に応じてホルモンの薬も使い、子宮内膜を整えたり、妊娠の成立を支えたりします。

移植後の妊娠判定

移植後は、指定された日に採血などで妊娠判定を受けます。

判定までの日数は移植した胚の段階や施設の方針によって違うため、帰宅前に日付を確かめておきましょう。

判定を待つ間は、胸の張りや下腹部の感覚が気になる方もいるでしょう。ただ、症状の有無だけでは妊娠したかどうかは分かりません。症状がないからと結果を決めつけず、予定された検査を受けてください。

処方された薬をいつまで続けるかも、確認しておきたいことの一つです。絹谷産婦人科も、判定前に出血があっても、自己判断でホルモンの薬を中止しないよう案内しています。市販の妊娠検査薬の結果だけで薬をやめるのも避けましょう。
使い忘れたときや出血が気になるときは、次の服用・使用をどうするかも含めて通院先へ連絡してください。

費用と保険の目安

料金表に「胚移植」と書かれていても、その金額だけで治療が終わるわけではありません。採卵や受精、薬や検査などの費用が重なり、卵子や胚の数によって変わる項目もあります。保険が使えるかどうかも、家計を考えるうえで大きな違いです。

ここでは年齢・回数の条件を確認してから、実際の料金例と見積りの見方を紹介します。「何にいくらかかるのか」をしっかり確認しておくことで、支払いの準備が考えやすくなりますよ。

保険の年齢・回数の条件

生殖補助医療の保険適用は、治療開始時に女性が43歳未満であることが条件です。こども家庭庁の説明では、保険で受けられる胚移植の上限を、初めての胚移植に向けた治療計画を作成した日の年齢に応じて定めています。

  • 40歳未満は、1子につき通算6回まで
  • 40歳以上43歳未満は、1子につき通算3回まで
回数の上限は「胚移植」の回数です。採卵を受けた回数とは分けて数えます。

たとえば、採卵後に胚を凍結し、まだ移植していない場合は、「移植1回」にカウントされないということです。もし転院しても回数の確認は必要なので、これまでの治療記録を持参しましょう。

保険診療は基本的に3割負担です。ただし、年齢だけで対象と決まるわけではなく、医師の判断と治療計画に基づいて判断されます。40歳・43歳の誕生日が近い方は、今回の計画での扱いを、治療を始める前に受診先へ確認してください。

保険・自費の料金例

採卵から移植までの例を見てみましょう。はらメディカルクリニックでは、保険診療の3割負担で約174,560円という試算を公表しています。

これは、卵子10個を採り、胚盤胞5個を凍結した後に移植する場合のものです。診察・検査・薬や、胚を包む膜から出やすくする処置も含み、採卵する周期が約123,840円、移植する周期が約50,720円という内訳になっています。

約17.5万円は、あくまで同院の特定の治療例なので、誰にでも当てはまる総額ではありません。また、高額療養費による支給を差し引く前の金額です。必要な方法や卵子・胚の数によって支払いは変わるため、処置別の料金も見てみましょう。

次に紹介するのは、杉山産婦人科が公開している料金表にある、3割負担の例です。これは2024年6月適用の料金表で、2026年10月10日時点で掲載が確認されています。

処置 同院の3割負担の例
採卵 1個16,800円
2〜5個20,400円
6〜9個26,100円
10個以上31,200円
受精卵の培養 1個13,500円
2〜5個18,000円など
新鮮胚移植 22,500円
凍結融解胚移植 36,000円

新鮮胚移植と凍結融解胚移植は、選んだ方法の料金を見ていきましょう。1回の移植で両方を足すわけではありません。採卵と培養も、卵子や胚の数で金額が違います。

さらに、受精の操作、薬、採血・超音波、管理料、胚の凍結などが追加されていく仕組みです。事前の見積もりでは、採卵しても卵子が得られなかった場合の費用も、一緒に質問しておくとよいでしょう。

自費診療では、同院の料金ページに、刺激周期の通常採卵、精子調整・受精・培養、胚移植を合わせた352,000円(税込)の例も載せられています。これとは別に、排卵誘発剤が約3万〜10万円、ホルモン・超音波検査が約2万〜3万円などと案内されています。

352,000円は、薬や検査まで含めた総額ではありません。

希望する麻酔や、顕微授精、胚盤胞までの培養、凍結なども、必要に応じて別の費用がかかります。

施設の一例なので、自分が受ける方法で「採卵から移植までに含まれるもの」を確かめてくださいね。

追加費用と支払いの準備

追加の検査や治療を提案されたときは、その目的と、保険診療と一緒に受けられるかを確認しましょう。先進医療として認められた技術には保険診療と併用できるものがありますが、先進医療の技術料そのものは自己負担です。自費の方法を何でも追加できるわけではありません。

見積りでは、薬・麻酔・凍結保存の費用が含まれるかも見てみてください。凍結した胚を保存し続ける場合には、保存期間を延長する費用も確認が必要です。「今回の治療費」と「その後に支払う費用」を分けておくと、あとから支払いに戸惑わずに済みます。

保険診療の支払いが大きくなるときに利用したいのが、高額療養費制度です。1か月の自己負担が所得などに応じた上限を超えると、超えた分の支給を受けられます。2026年8月からは、8月〜翌年7月を一つの期間とする年間上限も設けられています。

自費診療や先進医療の技術料は対象外です。

自分の上限額と申請方法は、加入している健康保険へ確かめましょう。

採卵と移植が別の月になれば、いつ、どの費用を払うかも変わってきます。見積りの横に支払う月を書き出し、交通費なども加えて二人で見ておくことで、用意するお金を具体的に把握できますよ。

通院と痛みへの備え

仕事を休む日を決めたいときは、通院の回数と、その日に必要な時間をセットで知っておきたいですね。採血と診察の日、採卵して休んでから帰る日では、予定の組み方が違います。日程が直前に決まる場面もあるため、変更の可能性がある時期を先に聞いておくと、仕事を調整しやすくなります。

ここでは通院回数の例から痛みへの対応、帰宅後の体調まで見ていきましょう。休みの取り方や家事の分担を考える際にも役立つ内容です。

通院日と休む時間を確かめる

はらメディカルクリニックでは、採卵する周期は採卵当日を含め3〜4回、別の周期にホルモン補充で移植する場合は移植日まで3回の来院を例として案内しています。初診・事前検査・妊娠判定まで含めた回数ではなく、必要な通院は治療法や卵巣の反応によって変わります。

自分の予定を質問するときには、「採卵まで」「移植まで」「判定まで」に分けて考えるとわかりやすいですね。注射を自宅で行うか通院で行うかによっても、来院回数は違います。自己注射を希望する場合は、対応できるかと練習の方法を受診先へ聞いてみてください。

同院の採卵日の案内は、朝8時30分に来院し、初めての場合は12時40分ごろの退院という例です。処置自体が短時間でも、準備や麻酔、処置後の休息があるため、受付から帰宅までを見込んでおきましょう。

採卵日が近づく時期に、外せない出張や行事がある方もいるでしょう。

治療周期を始める前に伝えておけば、開始時期も含めて相談できます。

診察の日も、検査結果を待つ時間や帰宅までの移動時間を予定に加えてください。

→不妊治療クリニックの選び方については、こちらの記事も参考にしてみてください。

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職場へ伝える場合は、治療の詳しい説明よりも「直前に休みの日が決まることがある」「この週は早退を相談したい」など、必要な調整を整理すると話しやすくなります。伝える相手や範囲は、自分の希望も大切にして考えましょう。

→職場への伝え方と不妊治療連絡カードについては、こちらの記事も参考にしてみてください。

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採卵・胚移植の痛みを相談する

治療に伴う痛みについては、採卵中と採卵後に分けて考えておきましょう。採卵中は、静脈麻酔で眠っている間に処置する方法もあれば、局所麻酔などで行う方法もあります。麻酔の種類や採卵数によって感じ方は違うため、予定している方法を聞いておくとよいですよ。

はらメディカルクリニックの解説では、採卵後の痛みを、下腹部の鈍い痛みや生理痛に似た痛みと説明しています。少量の出血や、麻酔後の気分不良が出る場合もあります。帰宅後の痛みに備え、痛み止めの使い方や連絡が必要な症状まで聞いておくと安心です。

同院によると、胚移植は一般に痛みの少ない処置です。ただ、腟を広げる器具や、細い管が子宮の入り口を通る際に痛みを感じることがあります。採卵時に使える麻酔と、胚移植で痛みが出たときの対応を、それぞれ分けて聞いておきましょう。

内診が苦手な方や、採血で気分が悪くなったことがある方は、その経験も伝えてください。

「途中でつらくなったらどう伝えればよいですか」と聞いておくのも一つの方法です。麻酔を使う日は、飲食の制限、帰宅時の付き添い、運転の可否も施設の指示に従いましょう。

採卵後の体調と二人の分担

採卵後は、お腹の張りや痛みが強くなっていないかにも気を配ってください。排卵誘発の薬に卵巣が強く反応し、卵巣が腫れたり、お腹に水がたまったりする「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」が起こることがあります。徳島大学の患者向けガイドラインも、症状と受診の目安を知る参考になるので、目を通してみてください。

リスクに応じた薬の調整や、胚を凍結して移植を別の周期にすることが、医師による予防策の一つです。帰宅後に症状が出たときも対応できるよう、採卵前に夜間・休診日の連絡先を控えておきましょう。

強いお腹の張り・痛み、尿の減少、急な体重増加、息苦しさなどがあれば、予約日を待たずに採卵した施設へ連絡してください。

吐き気や嘔吐が続く場合も相談が必要です。「採卵後だから仕方がない」と我慢せず、いつから、どのような症状があるかを伝えてください。

家で休む時間をとれるよう、送迎や食事、家事の分担も決めておけると助かりますね。男性側も、毎回付き添うのが難しくても、採卵日の帰宅に合わせて食事を用意する、会計や領収書をまとめるなど、できることはあります。

「何かあったら言ってね」だけでなく、当日に誰が何をするかまで具体的に話しておけると、その都度お願いをしたり、申し訳なさを感じたりせず、ゆっくり休むことができます。二人の仕事や体調に合わせて、無理のない分担を考えてみてください。

まとめ

体外受精の治療には、診察・検査から採卵・採精、受精・培養、胚移植、妊娠判定へと細かい過程があります。採卵と移植が別の周期になる場合もあるので、一度に予定を決めるのではなく、次の段階に進むタイミングごとに日程を確かめていきましょう。

費用は保険の年齢・回数の条件を確認し、薬や検査、麻酔、凍結保存まで含めた見積りで考えてください。料金表の一項目だけを総額と捉えないことが大切です。保険診療と自費分を分け、月ごとの支払いを整理すると、家計の相談もしやすくなります。

通院では回数に加え、採卵日の準備や処置後の休養期間も見込んでおきたいところです。痛みへの対応や帰宅手段も相談しておき、採卵後に強い張りや息苦しさなどが出たら、予約日まで待たずに連絡してください。

診察で聞きたいことは、メモにして持っていくと伝えやすいですよ。予定の管理や家事も二人で分担しながら、自分たちの生活に合う準備を進めてくださいね。

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