妊活が長く続くなかで、「少し疲れてしまった」と感じる時期が来ることがあります。
それでも「休んだら妊娠が遠のくのでは」と不安になり、なかなか手を止められない方もいるのではないでしょうか。
妊活は周囲に相談しにくいテーマでもあり、一人で悩みを抱えたまま、心身ともに疲れてしまうこともあります。
妊活を一時的にお休みすることは、必ずしもマイナスの選択ではありません。ただし、通院や治療中の方は、自己判断で中止せず、主治医に相談したうえで決めることが大切です。
この記事では、妊活をお休みする意味や、休んでいる間の過ごし方、再開するタイミングの考え方をわかりやすく解説します。
今の妊活のペースに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
「やめる」と「休む」は違う
妊活がつらくなったとき、「もうやめてしまおうか」と考えることもあると思います。
けれど、「やめる」と「休む」は同じではありません。妊活そのものをやめるのではなく、いったんペースを落としたり、一定期間お休みしたりする方法もあります。
また、「やめたい」のではなく、今のペースを続けるのが難しいと感じているだけの場合もあるでしょう。
まずは「やめる」と「休む」の違いを整理し、休むことが体調や気持ちに与える影響について見ていきます。
「やめる」と「休む」の違いを言葉にしておく
「やめる」は妊活そのものを終わらせる選択で、その後の生活設計にも関わってくる決断です。
一方の「休む」は、再開を前提として一定期間だけ距離を置くことを指します。
この区別があいまいなままだと、少し休むだけのつもりが「諦めた」という感覚になり、不安や罪悪感につながることもあります。
「3周期休んで、そのあと考える」というように、休む期間と再検討する時期をセットで決めておくと、気持ちの区切りをつけやすくなります。
カレンダーに再検討の日付を書き込んでおけば、休む期間があいまいに延びていくことも防ぎやすいでしょう。
また、夫婦で妊活を休む期間や再開についての考えを共有しておくことも大切です。
「今は休むけれど、○月ごろにもう一度考える」と言葉にしておくと、お互いに見通しを持ちやすくなります。
休むことがマイナスになるとは限らない
妊活中はタイミングを取ったり、検査や治療の予定が優先となり、常に何かを気にしている状態が続きます。
その緊張が長く続くと、睡眠や食事のリズムが乱れ、体調そのものを崩してしまうこともあります。
妊活からいったん離れて生活を立て直す時間を持てることが、休止期間の意味のひとつです。
休止を「妊娠のための手段」と考えてしまうと、再開後に結果が出なかったときの落胆が大きくなることもあります。あくまで、生活や気持ちを立て直すための期間として捉えておきましょう。
ストレスを抱えたままの継続は消耗しやすい
ストレスとは、e-ヘルスネット(健康日本21アクション支援システム)によると、外部からの刺激などによって体の内部に生じる反応のことを指します。
妊活では、結果が出ない期間が続くことや、検査・通院の予定が重なること自体が心理的な負担になる場合があります。
負担の感じ方や現れ方には個人差がありますが、疲れが抜けにくい、眠りが浅い、ささいなことで気持ちが揺れるなど、日常生活に変化が出る方もいます。
また、「休んではいけない」と思い続けることが、さらに気持ちの負担になることもあります。
「休んでもいい」と自分に許可を出しておくことも、長い妊活と向き合うための選択肢のひとつです。休むという選択肢を持っているだけでも、無理を感じたときにペースを調整しやすくなります。
心身の負担が大きいと感じたときは、一人で抱え込まず、パートナーや医療機関などに相談することも考えてみましょう。
休んだほうがよいサインと、期間の決め方
「休もうか、続けようか」と迷っているうちに、心身の負担が大きくなってしまうことがあります。自分では気づきにくい変化もあるため、あらかじめ判断の目安を持っておくと安心です。
また、休む期間はそのときの気持ちだけでなく、年齢や治療の計画なども踏まえて考える必要があります。とくに治療を受けている場合は、休止する期間について主治医に相談しておくことも大切です。
ここでは、いったん妊活を休む目安と、期間を決めるときの考え方を順番に見ていきます。
心と体に出るサイン
生理が始まるたびに涙が出る、他の人の妊娠報告を見ると気持ちが沈むなど、つらい状態が毎周期続いているなら、少し立ち止まって自分の状態を見直してみましょう。
体の面では、月経周期の乱れ、慢性的な疲労感、寝つきの悪さなどが気になる変化のひとつです。生活面でも、仕事や趣味に気持ちが向かなくなっている場合は、負担が大きくなっている可能性があります。
心と体の余裕がなくなっていると感じたら、妊活のペースを見直すサインのひとつです。
妊活の休止を検討したほうがよいサイン
| 分類 | 代表的なサイン | 目安 |
|---|---|---|
| 心 | 生理が始まるとひどく落ち込む、涙が出る | 2〜3周期続く場合 |
| 体 | 月経不順、慢性的な疲労、不眠 | 2か月以上続く場合 |
| 生活 | 仕事や趣味への意欲が下がる | 1か月以上続く場合 |
| 夫婦関係 | 会話が妊活の話ばかりになる | 頻繁に起きる場合 |
※表の期間はあくまで目安です。つらい時は無理をせず、期間を待たずに相談しましょう。
月経の乱れや心身の不調には、妊活以外の原因が関係していることもあります。症状を自己判断で妊活のストレスだけと決めつけず、必要に応じて婦人科などに相談することが大切です。
早めに変化に気づくため、基礎体温や体調のメモに、その日の気分を一言添えておくのもひとつの方法です。記録を振り返ることで、自分では気づきにくかった変化を確認しやすくなります。
生活面に出るサイン
仕事が手につかない、趣味や友人付き合いを楽しめない、家族との時間が減っている場合も、妊活のペースを見直す目安になります。
妊活以外の予定がすべて後回しになっていると、生活のなかで気持ちを切り替えたり、リフレッシュしたりする時間が少なくなってしまいます。その状態が続くと、知らないうちに疲れが積み重なっていくこともあります。
また、妊活の予定に合わせて仕事や外出を何度も調整していると、以前は楽しめていたことまで負担に感じる場合があります。
「今週、妊活と関係のない楽しみが何かあったか」と振り返ってみてください。思い当たるものがほとんどない場合は、少しペースを落とす時期に来ているのかもしれません。
妊活だけに意識を向けすぎず、自分の生活や楽しみも大切にすることが、無理のないペースを考えるきっかけになります。
期間は年齢と治療計画から逆算する
休む期間は、気持ちだけでなく、年齢や治療の状況もあわせて考えると安心です。
こども家庭庁「みんなで知ろう、不妊症不育症のこと」によると、生殖補助医療の保険適用には、治療開始時点で女性の年齢が43歳未満であることなどの条件があります。
また、初めての胚移植に向けた治療計画を作成した日の年齢によって、保険診療で受けられる胚移植の回数にも上限があり、40歳未満では1子ごとに6回まで、40歳以上43歳未満では1子ごとに3回までとされています。
そのため、不妊治療中の方が長く休む場合は、治療計画や今後の選択肢への影響について、事前に主治医へ確認しておくとよいでしょう。
休止期間に一律の目安があるわけではなく、年齢や月経周期、これまでの妊活期間などによって考え方は変わります。
ただし、期間を決めずに休むと再開するタイミングを逃しやすくなるため、「いつ頃もう一度考えるか」だけは先に決めておくと安心です。
月経周期が不規則な場合は、「3周期後」のように決めるのではなく、具体的な日付を設定しておくと、休止期間を管理しやすくなります。
休止期間の過ごし方と再開のタイミング
休むと決めたあとは、その期間をどう過ごすかによって、再開するときの気持ちも変わってきます。
予定を入れて気分転換する方が合う人もいれば、何もせずゆっくり過ごす方が合う人もいます。
周囲の過ごし方や「こうすべき」という考えにとらわれず、自分の気持ちや状態に合った過ごし方を選ぶことが大切です。
ここでは、休止期間の過ごし方と、再開を判断するときの目安を紹介します。
妊活以外の予定を先に入れる
予定を入れる過ごし方が合いそうなら、旅行、外食、趣味、友人との時間などを意識的に組んでみましょう。
気になるけど行けていなかったお店や宿、イベントなど、妊活を休んでいるからこそ楽しめることから決めていくと、より気分転換につながるでしょう。
妊活の予定を考えなくてよい時間を意識的に作ることで、気持ちを切り替えやすくなることもあります。
また、予定を先に押さえておくことで、休む時間を前向きに使いやすくなります。
大きな出費を伴う必要はなく、近場の日帰り温泉や、行ってみたかったお店での食事、家で映画を見る時間などでも構いません。
「休みの間にこれをやってみよう」と決めておくと、妊活以外にも目を向けるきっかけになります。予定を詰め込みすぎず、そのときの気分でゆっくり過ごす日も残しておくと、無理なく楽しるでしょう。
心と体のメンテナンスに使う
睡眠をしっかり取る、湯船にゆっくり浸かる、軽い運動を始めるなど、基本的な生活習慣を整え直す時期にあてましょう。
後回しになりがちな歯科の受診や健康診断を済ませておくのもおすすめです。体の気になるところを確認しておくことで、再開するときの安心感にもつながります。
気持ちの整理には、感じていることをノートに書き出す方法も役立ちます。気持ちを文字にして書き出すことで、自分が何に消耗していたのかを振り返るきっかけにもなります。
→妊活中のストレスケアの方法については、こちらの記事もチェックしてみてください。

また、妊活中のストレスとの向き合い方や、気持ちを少し楽にする方法を知っておくのも、休止期間の過ごし方のひとつです。
→妊活のメンタルの保ち方については、こちらの記事もチェックしてみてください。

生活リズムを整えたり、気持ちを言葉にしたりするなかで、少しずつ余裕を取り戻せることがあります。再開を急がず、自分の状態を確認しながら過ごしていきましょう。
再開の目安は気持ちと基礎チェック
ここまでにも触れたように、休止するときは「この頃にもう一度考える」と再開を検討する時期を決めておくと安心です。ただし、決めた時期が来たからといって、必ず再開しなければならないわけではありません。
実際の再開のタイミングは、「また取り組んでみようかな」と自然に思えたときがひとつの目安です。気持ちに余裕が戻っているか、妊活を再び始めることを負担に感じすぎていないかも振り返ってみましょう。
不妊治療をしていた方は、休んでいた期間やそれまでの治療内容によって、再検査が必要かどうかが変わります。ホルモン値や卵巣・子宮の状態を確認し直す必要があるか、妊活再開前に主治医へ相談してください。
年齢による条件がある治療を予定している場合は、その時点での治療計画や保険適用の条件なども確認しておくと安心です。
再開するときは、いきなり以前と同じペースに戻す必要はありません。通院や記録の量を少しずつ増やしながら、今の生活に無理なく合わせていく方法もあります。
まとめ
妊活を休むことは、やめることとは別の選択であり、再開を前提にいったん距離を置くための時間です。期間と再検討の時期を決めておくと、休止期間を過ごしやすくなります。
生理のたびに強く落ち込む、不眠や疲労が続く、妊活以外の楽しみがなくなっているなどの変化は、休むことを考えるサインのひとつです。
保険適用の生殖補助医療には年齢や回数の条件があるため、治療中の方は通院や服薬を自己判断で止めず、主治医に相談したうえで休止期間を決めましょう。
休止中は、旅行や趣味などで気分転換する方法もあれば、何もせずゆっくり過ごす方法もあります。自分の気持ちや体調に合った過ごし方を選んでください。
再開の目安は、「また取り組んでみよう」と自然に思えたタイミングです。再開をする場合でも、休む前と同じペースに戻す必要はなく、今の生活に合わせて少しずつ再開することもできます。
休止前に治療を受けていた方は、休んでいた期間や治療内容によって、再検査が必要かどうかが変わります。再開前に主治医へ確認しておくと安心でしょう。
Fertility Journey(ふぇるじゃに)は妊活に取り組む方のためのサイトです。妊活に関するさまざまな情報をお伝えしていますので、ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
