妊活を始めると必ず耳にする「基礎体温」という言葉。基礎体温を測ることで妊娠しやすいタイミングがわかると聞いたことがある方も多いでしょう。でも実際のところ、正しく測れているか不安に感じていませんか?
基礎体温は毎日測り続けることで初めて意味を持つデータです。この記事では基礎体温とは何か、正確な測り方、記録を続けるコツまで詳しく紹介します。
そもそも「基礎体温」ってなに?妊活でなぜ大切なの?
妊活において基礎体温を測ることはとても重要です。基礎体温がどのようなものか、なぜ妊活で役立つのかを理解しましょう。
基礎体温ってどんな体温なの?
基礎体温とは、朝目覚めてすぐの、体を全く動かしていない安静状態で測る体温のことです。日中に活動している時に測る体温とは異なり、女性の体内のホルモンバランスや月経周期の影響を受けて変化する特徴があります。
婦人体温計を使って、舌の裏側(舌小帯付近)で測定するのが一般的です。基礎体温の微妙な変化を捉えるために、小数点第2位まで測れる体温計が推奨されています。
低温期は月経開始から排卵前までの期間で、高温期は排卵後から次の月経までの期間になります。この2つの期間で体温が約0.3〜0.5度ほど変化します。
妊活で基礎体温を測るメリット
基礎体温を毎日記録することで、排卵の有無や時期、高温期の長さがわかり、妊娠しやすいタイミングを把握しやすくなります。
高温期が14日以上続く場合は妊娠の可能性が高いと判断できるため、妊娠のサインを早めにキャッチできるメリットもあります。
基礎体温表は不妊治療などで医師に相談する際の大切な資料になります。体調やホルモンバランスの乱れも見つけやすく、自分の体についての理解を深めることができます。
どんな人に特におすすめか
月経周期が不安定な方や排卵日が予測しにくい方には、基礎体温の記録が特に役立ちます。自分の体のリズムを知ることで、妊娠に適したタイミングを見極めやすくなります。
妊活を始めたばかりの方、または自分の体調や周期を客観的に把握したい方にもおすすめです。基礎体温の記録は自分の体の状態を「見える化」してくれるため、体調管理にも活用できます。
基礎体温の正しい測り方、どこに気をつければいい?
基礎体温を正確に測るためには、いくつかのポイントがあります。正しい方法で測定することで、より信頼性の高いデータを得ることができます。
計測はいつ・どんな姿勢でやるか
基礎体温は「毎朝起きてすぐ」「体を動かさず寝たまま」の状態で測るのが鉄則です。起き上がったり、トイレに行ったりしてからでは、すでに体温が上昇しているため正確な値が測れません。
できるだけ毎日同じ時刻に測定することで、より正確なデータが得られます。測定時間がバラバラだと、体温の変化も影響を受けるため注意しましょう。
夜中にトイレに起きた場合や睡眠時間が極端に短かった場合は、体温に影響が出ることがあります。そのような場合は、測定と一緒にその状況をメモしておくとよいでしょう。
婦人体温計の使い方と測定ポイント
婦人体温計は小数点第2位まで測れるものを使用します。枕元に置いておくと朝起きてすぐに測定でき、忘れにくいのでおすすめです。
舌の裏側の中央(舌小帯付近)に体温計をしっかり当て、口を閉じて測定します。この位置が最も安定した温度が測れるポイントです。
測定前に口を開けていた場合は、3分ほど口を閉じてから測るとより正確な値が得られます。
測定時にやってはいけないこと
起き上がったり、体を動かしてから測ると体温が上がってしまい、正確な基礎体温が測れません。必ず目覚めてすぐ、寝たままの状態で測定してください。
脇の下や耳で測るのはNGです。必ず口内(舌下)で測りましょう。測定部位が違うと値に差が出てしまいます。
測定中に話したり、体温計がずれてしまうと誤差が出るので注意が必要です。測定中は静かに口を閉じたまま待ちましょう。
正しい方法 | 間違った方法 | |
---|---|---|
測定のタイミング | 目覚めてすぐ | 起き上がった後 |
測定姿勢 | 寝たままの状態 | 起き上がった状態 |
測定場所 | 舌の裏側(舌小帯付近) | 脇の下や耳 |
測定中の状態 | 口を閉じて静かに待つ | 話す・動く |
測定時間 | 毎日同じ時刻 | バラバラな時間 |
毎日の記録、どうやって続ければいい?挫折しないコツ
基礎体温の測定は毎日続けることが大切です。簡単そうに見えて意外と続けるのが難しいものです。ここでは長く続けるためのコツをご紹介します。
記録の習慣化、どうすれば身につくか
アラームをセットして毎朝同じ時間に測定する習慣をつけると続けやすくなります。体内時計も整いやすく、より正確な基礎体温が測れるようになるでしょう。
測定したらすぐに基礎体温表やアプリに記録するのがポイントです。後回しにすると忘れやすくなります。測定直後に記録する習慣をつけると良いでしょう。
アプリと連携して、測定するだけで自動的に記録できる体温計もあります。手間が減るので、毎日続けやすくなりますよ。
完璧を目指さず、測り忘れた日は「測定なし」と記録し、気にしすぎないことが長続きのコツです。毎日きちんと測らなければという思いが強すぎると、かえってストレスになってしまいます。
どんな記録方法がおすすめ?
紙の基礎体温表だけでなく、スマホアプリを活用するとグラフ化やメモも簡単にできて便利です。多くのアプリでは排卵日の予測機能などもついているため、データの分析がしやすいメリットがあります。
体温だけでなく、体調や睡眠、性交渉の有無、気になる症状も一緒にメモしておくと、後から見返したときに役立ちます。例えば「この日は風邪気味だった」「この日は寝不足だった」などの情報があると、体温変化の理由が理解しやすくなります。
- 体調(頭痛、腹痛、疲れなど)
- 睡眠状況(良く眠れた、途中で目が覚めたなど)
- 月経の状況(量が多い・少ない、色など)
- 性交渉の有無
- 服用した薬
数値のバラつきや体調の変化が気になったら、一日の値だけでなくグラフ全体の傾向を見るようにしましょう。一日二日の変化に一喜一憂するより、周期全体の変化を見ることが大切です。
続けるのがつらいときはどうするか
ストレスを感じたら無理せず休んだり、周期の把握だけでもOKと割り切るのも大事です。妊活はマラソンのようなもの。長く続けるためには自分のペースを守ることが重要です。
「測れなかった自分を責めない」「できる範囲で続ける」が妊活の基本です。完璧な記録よりも、心の健康を優先させましょう。
基礎体温でわかること・わからないことって?
基礎体温を測ることでわかること、わからないことがあります。あまり大きな期待はしすぎず、メリットとデメリットを理解して上手に活用しましょう。
基礎体温表から何が読み取れるのか
低温期と高温期の2相がはっきり分かれていれば、排卵が起きているサインです。正常な排卵がある場合、グラフは波のような形になります。
高温期が14日以上続けば妊娠の可能性があり、逆に10日未満なら黄体機能不全の疑いもあります。高温期の長さは妊娠の可能性や黄体ホルモンの状態を知る手がかりになります。
月経周期や排卵のタイミング、体調の変化を把握できるので、妊活の計画が立てやすくなります。自分の体のリズムを知ることは、妊活において大きな強みとなるでしょう。
基礎体温だけでわからないこと
基礎体温だけでは、排卵日を「事前に」特定することはできません。排卵後に「排卵があった」と推測できるのみです。つまり、タイミング法のために排卵日を前もって知りたい場合は、基礎体温だけでは難しいでしょう。
2相性がなくグラフがガタガタの場合、無排卵やホルモン異常の可能性もありますが、詳細は医療機関での検査が必要です。基礎体温は参考情報として役立ちますが、確定診断はできません。
体温の変化は睡眠不足や体調不良、ストレスでも影響を受けるため、グラフの変動だけで一喜一憂しないことが大切です。あくまで目安として利用しましょう。
病院に相談した方がいいケース
基礎体温が何周期も1相性(高温・低温の区別がない)で続く場合は、排卵障害の可能性があるので婦人科受診をおすすめします。
高温期が毎回10日以内の場合は黄体機能不全の疑いがあるため、検査を受けるのがおすすめです。黄体機能不全は治療が必要な場合があります。
妊活を続けているのに周期や体温グラフが安定しない、体調に不安がある場合も早めに専門医に相談しましょう。基礎体温表は婦人科医にとって貴重な情報源となります。
まとめ
基礎体温は妊活において大切な指標です。毎朝起きてすぐ、体を動かさず測ることが正確な測定のポイントです。
記録を続けるためには、完璧を目指しすぎず自分のペースで続けることが大切です。スマホアプリなどを活用して、記録の手間を減らすのも良い方法です。
Fertility Journey(ふぇるじゃに)は妊活に取り組む方のためのサイトです。基礎体温や排卵日に関する記事もたくさんあります。ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。