妊活中に食事についていろいろと調べていると、「ヨーグルトは体に良さそう」と感じる一方で、「乳製品は控えたほうがいい」という情報を見て迷う方もいるかと思います。
ヨーグルトは、選び方に気をつければ妊活中にも安心して取り入れやすい食品です。カルシウムやタンパク質が手軽に摂れるだけでなく、乳酸菌が腸内環境を整えてくれるので、妊活中の方の体調をサポートしてくれます。
ただし、「低脂肪」や「無脂肪」タイプばかりに偏ると、ホルモンの働きに影響する可能性があるという報告もあり、選ぶ際には少し注意が必要です。
この記事では、妊活中のヨーグルトの効果から、気をつけたい注意点、そしておすすめの選び方まで、わかりやすくお伝えしていきます。
ヨーグルトの妊活への効果と栄養価
ヨーグルトは、妊活中の体づくりに役立つ栄養がそろった食品です。カルシウムやタンパク質といった基本的な栄養素に加え、腸内環境を整える乳酸菌の働きが注目されています。
また、牛乳より消化吸収がよいとされており、毎日の食事に無理なくプラスしやすいため、妊活中の栄養補給としておすすめです。
カルシウムとタンパク質が手軽に摂れる
ヨーグルトは、妊活中に意識して摂りたいカルシウムとタンパク質を手軽に補給できる食品です。文部科学省の「日本食品標準成分表」によると、プレーンヨーグルト100gあたりにはカルシウム約120mg、タンパク質約3.6g含まれています。
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人女性のカルシウム推奨量は1日650mgとされています。
カルシウムは骨や歯の形成だけでなく、神経の働きや筋肉の収縮にも関わる重要なミネラルです。妊娠後はおなかの赤ちゃんにも必要となるため、妊活中から意識して摂取しておけるといいですね。
また、タンパク質は筋肉や皮膚、ホルモンの材料となり、体のあらゆる機能を支えています。
ヨーグルトなら朝食や間食として続けやすいため、妊活中に不足しがちな栄養素を補う方法としておすすめです。
乳酸菌が腸内環境と子宮内フローラを整える
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。腸内環境が整うと栄養を吸収しやすくなり、免疫力の維持にも役立つとされています。
また、最近の研究では、腸内だけでなく子宮内にも「子宮内フローラ」と呼ばれる細菌の集まり存在することがわかってきました。特に「ラクトバチルス」という善玉菌が多いほど、妊娠に適した環境になると考えられています。
Varinos株式会社が紹介している2016年のスペインの研究チーム(American Journal of Obstetrics & Gynecology発表)によると、子宮内のラクトバチルスの割合が90%以上の女性では妊娠率が70.6%、生児獲得率が58.8%であったのに対し、90%未満の女性では妊娠率33.3%、生児獲得率はわずか6.7%という結果が報告されています。
研究結果からも、腸内環境と子宮内環境は密接に関係していると考えられています。腸内の状態は毎日の食事で変わりやすいため、ヨーグルトのように乳酸菌をとれる食品を続けることは、妊活中の体づくりにも役立つといえるでしょう。
牛乳よりも消化吸収がよい理由
「牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする」という経験がある方でも、ヨーグルトなら問題なく食べられるという方も多いと思います。その理由は、ヨーグルトの発酵過程にあります。
牛乳に含まれる乳糖は、本来小腸でラクターゼという酵素によって分解されます。しかし、日本人を含むアジア人では、この酵素の働きが成人になると弱くなる人が多く、乳糖をうまく分解できないと下痢や腹痛が起きることがあります。これが「乳糖不耐症」です。
一方、ヨーグルトは発酵の過程で乳糖の20〜40%が乳酸に分解されるため、牛乳に比べておなかにやさしくなっています。明治の「食育」サイトによると、発酵によってタンパク質の一部もアミノ酸やペプチドに分解され、より消化しやすい形になっているとのことです。
さらに、カルシウムも発酵によって「乳酸カルシウム」という形になり、腸からの吸収率がさらに高まります。
栄養をしっかり取りたい妊活中の方にとって、ヨーグルトは体に負担をかけずに栄養補給ができる食品といえるでしょう。
妊活中のヨーグルトで気をつけたいこと
ヨーグルトは妊活に役立つ食品ですが、選び方や食べ方によってはせっかくのメリットが生かせなくなることもあります。
特に注意したいのが、ヨーグルトの脂肪分や砂糖の量です。また、人によっては体質的におなかがゆるくなりやすい場合もあり、どのタイプを選ぶかが大切になります。
妊活中に気をつけたいポイントや選び方のコツを知って、体に無理のない形で取り入れていきましょう。
低脂肪ヨーグルトは排卵障害のリスクに注意
ダイエットや健康のために「低脂肪」や「無脂肪」のヨーグルトを選んでいる方も多いと思いますが、妊活中は少し注意が必要です。
アメリカのハーバード大学公衆衛生大学院が行った「Nurses’ Health Study II(看護師健康調査)」では、約18,000人の女性を8年間追跡調査した結果、低脂肪乳製品を多く摂る女性ほど排卵障害による不妊リスクが高く、無調整(全脂肪)の乳製品を多く摂る女性ほどリスクが低いという傾向が報告されています。
京野アートクリニック高輪の解説では、低脂肪に加工する際に、女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)が一緒に除去されてしまい、逆に男性ホルモン(アンドロゲン)などが残りやすいことで、ホルモンバランスに影響する可能性があるとされています。
加工の段階で栄養バランスが変わることがあるため、妊娠を目指す時期は、できるだけ脂肪分をそのまま残したタイプのヨーグルトを選ぶと安心でしょう。
乳糖不耐症の方は食べ方の工夫を
日本人は欧米人に比べて乳糖不耐症の方が多く、成人の約4〜5人に1人が該当するといわれています。ヨーグルトは牛乳より乳糖が少ないとはいえ、体に合わないと感じる方は無理に食べる必要はありません。
ただ、乳糖不耐症の方でも、少量を数回に分けて食べたり、温めてから食べるといった工夫で、症状が出にくくなることがあります。また、続けて少しずつ取り入れることで、症状が改善されるという報告もあります。
ヨーグルトが苦手な方や体に合わない方は、納豆やキムチ、味噌などの他の発酵食品から乳酸菌をとる方法もあります。腸内環境を整える方法はヨーグルトだけではないので、自分の体に合った物を選ぶことが大切です。
加糖タイプは控えめに
フルーツ入りやフレーバー、甘みのついたヨーグルトは食べやすいですが、糖分が多く含まれている点には注意が必要です。
糖分を摂りすぎると血糖値が急に上がり、インスリンの分泌が増えることでホルモンバランスに影響し、排卵に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方は、血糖値のコントロールが妊活において重要なポイントになるため、加糖タイプのヨーグルトは控えめにしたほうがよいでしょう。
甘みが欲しい場合は、プレーンヨーグルトに少量のはちみつやオリゴ糖を加えたり、季節のフルーツをトッピングしたりする方法がおすすめです。自分で甘さを調整できるので、糖分の摂りすぎを防げます。
→ヨーグルトにはキウイの追加がおすすめ!妊活とキウイに関する記事はこちら

ヨーグルトの甘さは自分で少し工夫するだけで簡単にコントロールできます。妊活中は体の負担にならない量を意識して、楽しく続けていきましょう。
妊活におすすめのヨーグルトの選び方・食べ方
妊活中にヨーグルトを食べるなら、ヨーグルトの種類や食べる量、食べ方をぜひ意識してみてください。上手に選んで食べることで、ヨーグルトは妊活中の女性にとって心強い味方になります。
毎日の習慣として無理なく続けられる食べ方を見つけて、体づくりを一緒に進めていきましょう。
無調整(全脂肪)ヨーグルトを選ぶ
妊活中に意識して選びたいのは、「無調整」「プレーン」「全脂肪」と書かれているタイプのヨーグルトです。パッケージの成分表示を確認し、脂質が100gあたり約3gほど含まれているものを目安にすると選びやすくなります。
スーパーでよく見かける、明治ブルガリアヨーグルトLB81や森永ビヒダスプレーンヨーグルトなどは、無調整タイプにあたります。これらは乳酸菌の種類や数も明記されているため、自分に合ったものを選びやすいのも嬉しいポイントです。
以下の表は、低脂肪タイプと無調整タイプの一般的な違いをまとめたものです。
| 項目 | 低脂肪・無脂肪ヨーグルト | 無調整ヨーグルト |
|---|---|---|
| エネルギー(100gあたり) | 約40〜46kcal | 約56〜65kcal |
| 脂質(100gあたり) | 0〜1g | 約3g |
| カルシウム(100gあたり) | 約130mg | 約120mg |
| ホルモンバランスへの影響 | 脂質が少なく、バランスに影響が出る場合も | バランスが保たれやすい |
| 妊活への適性 | 排卵トラブルの可能性に注意 | 妊活中におすすめ |
低脂肪タイプの方がカロリーが低いというメリットはありますが、前の項目でもお伝えしたように、妊活中は低脂肪乳製品のとり過ぎが排卵に影響する可能性があると言われています。
1日の適量を守ればカロリーの差はそれほど気にならないので、妊活中は無調整タイプを選んだ方が体づくりをよりサポートしやすくなりますよ。
1日100〜200gを目安に
ヨーグルトの1日の目安量は、100〜200gほどです。市販の小分けカップなら1〜2個分、大きめパックなら約1/4〜1/2くらいが目安になります。
このくらいの量を食べることで、カルシウム120〜240mg、タンパク質3.6〜7.2gを摂取でき、1日の栄養バランスの補助として十分な効果が期待できます。カロリーも56〜130kcalほどなので、間食としても適した範囲内です。
朝食や夕食後など、自分の生活リズムに合わせて習慣にしやすいタイミングを決めておくと、無理なく継続できるでしょう。また、カルシウムの吸収率は夕食時に高まるという研究もあるので、夜のヨーグルトを習慣にするのもおすすめです。
食物繊維やオリゴ糖と一緒に摂る
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の働きをより高めるためには、乳酸菌のエサとなる「プレバイオティクス」を一緒に摂ることがポイントです。
代表的なものが食物繊維とオリゴ糖で、これらを摂取すると腸内の善玉菌が元気に働きやすくなり、より良い腸内環境づくりにもつながります。
ヨーグルトと相性のいいトッピングとしては、バナナ・キウイ・りんご・ブルーベリーなどの果物がおすすめです。食物繊維やビタミンが豊富に含まれているので、栄養バランスもさらによくなります。
また、オリゴ糖を含む食品には、きな粉、はちみつ、大豆製品などがあります。プレーンヨーグルトにきな粉とはちみつをかけて食べれば、優しい甘さで満足感もアップ。砂糖を使わなくても満足感もしっかり得られます。
さらに、アーモンドやくるみなどのナッツをトッピングすれば、妊活中にうれしいビタミンEや良質な脂質も一緒に摂れます。ビタミンEには抗酸化作用があり、卵子の健康を守る働きが期待されている成分です。ちょっとひと手間加えるだけで、栄養価もおいしさもアップしますよ。
まとめ
妊活中のヨーグルトは、選び方や食べ方を少し工夫するだけで、毎日の体づくりをサポートしてくれる心強い味方になります。
1番のポイントは、無調整(全脂肪)タイプを選ぶことです。低脂肪・無脂肪タイプはカロリーが控えめではありますが、ホルモンバランスへの影響が心配されることもあり、妊活中は控えた方が安心でしょう。
1日100〜200gを目安に、プレーンタイプのものを毎日コツコツ食べ続けることで、カルシウムやタンパク質の補給に加え、腸内環境の改善も期待できます。
乳酸菌の働きは腸内だけでなく、子宮内フローラにも良い影響を与える可能性が近年の研究で示されています。妊娠しやすい体づくりを応援してくれる食品の一つとして、ヨーグルトを上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ただし、乳糖不耐症の方や乳製品が体に合わない方は、無理に食べる必要はありません。納豆やキムチなど、他の発酵食品でも乳酸菌を摂ることができるので、ご自身の体に合ったものを選んでください。
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