妊娠中はもちろん、妊活を始めると「カフェインは控えたほうがいい」という話を耳にする機会が増えると思います。
しかし、「カフェインは絶対ダメなの?」「なぜ控えたほうがいいの?」と疑問に思っても、詳しいことまではよく分からない…という方は多いのではないでしょうか。
カフェインが体に与える影響を解説し、無理なく続けられるカフェインレス飲料の選び方も紹介します。
妊活中にカフェインを控えたほうがいい理由
妊活中にカフェインは絶対にNGではないものの、控えた方がベターです。では、なぜ妊活中はカフェインを控えた方がよいとされるのでしょうか。
ここでは、カフェインを控えたほうがいい理由を大きく3つ紹介します。これを知っておくことで、食べ物や飲み物を選ぶ際にも選びやすくなりますよ。
体を冷やして血流が悪くなるから
妊活中は体を温めることが大切とよく聞きますが、カフェインには血管を収縮させる作用があり、体を冷やしてしまう可能性があると言われています。
血流が悪くなると、子宮や卵巣に栄養や酸素が届きにくくなってしまいます。
特に冷え性の自覚がある方は、カフェインの摂りすぎに注意しておくと安心です。
温かいコーヒーを飲んでいても、カフェインの作用で結果的に体が冷えてしまうこともあるので、飲み物の温度だけでなく、成分にも目を向けてみるといいかもしれません。
妊娠率に影響する可能性があるから
カフェインと妊娠率(着床率)の関係については、いくつかの研究が行われています。
米国生殖医学会(ASRM)の公式サイトでも言及されているとおり、1日500mg以上のカフェインを摂取すると、妊娠までの期間が長くなるという研究結果も報告されています。もちろん個人差はありますし、カフェインだけが原因ではありません。
しかし、妊活中はできるだけ良い環境を整えたいと思う人は多いでしょう。「念のため控えておこう」という気持ちで、少し意識してみるのがおすすめです。妊活中から意識しておくことで、妊娠後も安心して過ごせますね。
コーヒー以外にもカフェインが隠れているから
「コーヒーを控えているから大丈夫」と思っていても、実は他の飲み物にもカフェインは含まれています。カフェインが入っている飲み物としてイメージするものもあれば、意外な飲み物にもカフェインが入っていることもあります。
特に気をつけたいのが玉露です。玉露100mlには約160mgのカフェインが含まれていて、これはコーヒーよりも多い量です。
| 飲み物 | カフェイン量(100mlあたり) |
|---|---|
| コーヒー | 約60mg |
| 玉露 | 約160mg |
| 紅茶 | 約30mg |
| 煎茶・ウーロン茶 | 約20mg |
| エナジードリンク | 約32〜300mg(製品による) |
知らず知らずのうちにカフェインを摂りすぎていた…ということがないように、普段飲んでいるものを一度チェックしてみるのもおすすめです。
どのくらいなら飲んでもいい?目安と考え方
「カフェインを控えたほうがいい」と聞くと、一切飲んではいけないような気がする人もいるかもしれません。
しかし実際は、完全にゼロにする必要はなく、適量であれば神経質になりすぎる必要はありません。
ここでは、1日の摂取量の目安と、ストレスにならない上手な付き合い方を紹介します。
1日の摂取量の目安
妊活中・妊娠中のカフェイン摂取量について、世界的にはいくつかの基準が示されています。
WHO(世界保健機関)では1日300mg以下、EFSA(欧州食品安全機関)では1日200mg以下が推奨されています。
日本では明確な基準値は設けられていませんが、厚生労働省のサイトでもこれらの国際的な推奨値が紹介されています。
コーヒー1杯(150ml)に含まれるカフェインは約60〜90mg程度。つまり、1日2〜3杯程度なら許容範囲と考えて良さそうです。
厚生労働省の「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」でも、妊婦さんへの注意喚起がされています。詳しくは厚生労働省公式サイトをご覧ください。
完全にゼロにしなくても大丈夫
「妊活中だからカフェインは絶対ダメ!」と思い込んでしまうと、かえってストレスになってしまいます。大切なのは、「ゼロにする」ではなく「控えめにする」という意識を持つことです。
毎日何杯もコーヒーを飲んでいた方が、急にゼロにするのは大変です。まずは1日1〜2杯に減らしてみる、午後はカフェインレスに切り替えるなど、できるところから少しずつ調整していきましょう。
コーヒーでおなじみ「AGF」のブレンディスティックは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
タニタカフェ監修 ホッとよりそうカフェオレ カフェインレスは、不足しがちな栄養素が配合され、妊活中の方にも優しく寄り添ってくれる製品です。
ミルクティタイプもありますので、好みに合わせて選んでみるのもいいでしょう。
無理なく続けられる方法を見つけることが、妊活を長く続けるコツでもあります。
ストレスにならない付き合い方
カフェインを控えることがストレスになってしまっては本末転倒です。
ストレスは妊活の大敵!
「今日は1杯だけ楽しもう」「週末は好きなコーヒーを飲もう」など、自分なりのルールを作ってストレスを溜めないようにしてみてください。
また、カフェインレスやデカフェのコーヒーを上手に取り入れれば、コーヒーの香りや味わいは楽しみながら、カフェイン摂取量は抑えられます。
「我慢する」より「置き換える」という発想で、楽しみながら妊活を続けていきましょう。
カフェインレス・デカフェの上手な選び方
最近はカフェインレスやデカフェの商品がたくさん出ていて、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
ここでは、選び方のポイントを3つに分けて紹介します。それぞれの違いを知って、自分に合ったものをぜひ見つけてください。
カフェインレスとデカフェの違いで選ぶ
「カフェインレス」と「デカフェ」、似ているようで実は少し違いがあります。
全日本コーヒー公正取引協議会の規約によると、どちらも「カフェインを90%以上除去したコーヒー」という定義は同じです。
ただし言葉のニュアンスとしては、「デカフェ」はカフェインを取り除いたもの、「カフェインレス」はもともとカフェインが少ないものというイメージで使い分けられることもあります。
| 種類 | 意味 | カフェイン量 |
|---|---|---|
| デカフェ | カフェインを取り除いたもの | 90%以上除去(微量残る) |
| カフェインレス | カフェインが少ないもの | 90%以上除去(微量残る) |
| ノンカフェイン | もともとカフェインを含まない | ゼロ |
ちなみに「ノンカフェイン」は、麦茶やルイボスティーのようにもともとカフェインを含まない飲み物のことを指します。
カフェインを完全にゼロにしたい場合は、ノンカフェインの飲み物を選ぶと安心です。
製法や残留量をチェックして選ぶ
デカフェやカフェインレスのコーヒーは、カフェインの除去方法によって味や品質が変わってきます。
主な製法は「ウォータープロセス(水抽出法)」と「超臨界二酸化炭素抽出法」の2つ。どちらも化学薬品を使わない安全な方法なので、妊活中でも安心して飲めます。
日本では、有機溶媒(化学薬品)を使ったカフェイン除去は禁止されているので、国内で販売されている商品は基本的に安全と考えて問題ありません。
商品パッケージに「カフェイン97%カット」「カフェイン99%除去」などと記載されていることもあるので、気になる方は残留量をチェックしてみるといいでしょう。
味と続けやすさで選ぶ
せっかくカフェインレスに切り替えても、美味しくなければ続きませんよね。
最近のデカフェ・カフェインレスコーヒーは、技術の進歩でかなり美味しくなっています。「昔飲んだことがあるけど、イマイチだった…」という方も、ぜひ最近の商品を試してみてください。
先程の「AGF」とタニタの共同開発で生まれたAGF ブレンディ スティック カフェオレ カフェインレスは、その代表格のひとつかもしれません。
通常のカフェインレスの商品はスーパーなどで手軽に購入できますが、こちらの商品はオンライン限定販売となっています。やや手に入りづらいのが難点ですが、上記(Amazon)で販売中になっていれば購入が可能です。
ミルクティタイプもあるため、一度チェックしてみてください。
他にもスーパーやコンビニで手軽に買える商品が増えていますし、カフェでもデカフェメニューを用意しているところが多くなっています。
無理なく続けられる、自分好みの味を見つけることが大切です。
いくつか試してみて、「これなら毎日飲める!」というものを見つけてみてくださいね。
まとめ
妊活中のカフェインについて、控えたほうがいい理由から具体的な目安、カフェインレス商品の選び方まで紹介してきました。
大切なのは「完全にゼロにする」ことではなく、「上手に付き合う」こと。
1日200mg程度を目安に、カフェインレスやデカフェの飲み物も取り入れながら、ストレスなく妊活を続けていきましょう。
パートナーと一緒にこれらの飲み物を楽しむのも、妊活中のちょっとした息抜きになるかもしれませんね。焦らず、自分たちのペースで二人三脚で進んでいきましょう。
Fertility Journey(ふぇるじゃに)は妊活に取り組む方のためのサイトです。妊活に関するさまざまな情報をお伝えしていますので、ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
